wiki:PyConAPAC2010

2010/6/9〜6/11にシンガポールのSMUで開催された、 PyCon Asia-Pacific 2010 (PyCon AP) に参加してきました。

6/8

初日 (Tutorial Day) のチュートリアルセッションに参加したかったので、 前日に現地入りすることにしました。梅田を 7:30 に出発して、関空11時発の 便に乗ります。今回は発表資料やカンファレンスのスケジュールに合わせて 仕上げるものがなかったので往路はリラックスして過ごせました。

関空発のシンガポール航空便は、エアバス A330。比較的新しくて、エコノミー でもほんのちょっとゆったりサイズです。各席に液晶端末があるのはいいですね。 さてこの端末、有線のハンドセットがついていて、機内放送の音量やチャンネ ルを操作できるのはもちろんのこと、画面のメニューに従ってゲームを起動し たり、お買い物をしたりできます。ハンドセットの裏側にはゲームパッドとキー ボードがあり、側面にはクレジットで電話をかけるためのカードリーダーがあ ります。端末には USB 端子がついていて。iPod を接続すると充電と再生がで きるようです。欧州便や北米便の素っ気ない窮屈なシートとはえらい違いです。

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昼食は、和食を避けてビーフ。機内食も美味しいです。食事をとってうとうと しているうちに到着してしまいました。アメリカやヨーロッパに行く時に比べ て、アジア各国への旅行は本当に近くて楽ですね。

シンガポール空港は、中心街から電車で40分くらいのところにある大きな空港 です。昼夜を問わず世界中から飛行機がやってきます。空港も広くて綺麗です。

さて、シンガポールでは、W-CDMA方式の携帯をローミングして使えます。空港 についてiPhoneの電源を入れると。。。。SingTelにつながりますね。とはい え、3Gのデータ通信で破産したくはないので、到着と同時にデータ通信を無効 にしました。

これでは会社のメールがよめなくて好都合、いやとっても困るので、今回は3Gの WLAN端末を備えたパソコンを用意していきました。日本ではFOMA網で使い、 海外では現地のデータ通信契約をしようという魂胆です。

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シンガポールでは、モバイルワン (M1) という業者がプリペイドのデータ通信 サービスを提供しています。これは、3日間使い放題、下り3.2MbpsのSIMカー ドを加入契約なしで販売するというもので、お値段は18SGD (だいたい1300円 くらい)。日本のプリペイドは6時間で5000円くらいだったと思います。 安いですね!

空港のロビーを歩き回っていると、M1のカウンターがすぐに見つかりました。 すんなり手に入ったので、早速市内行きの電車の中で試してみました....が、 あれ?繋がらない!電波が届かないというより、モデムのエラーでダイアルアッ プすらしないようです。

ダイアルアップのプロファイルを作り直したり、3Gモデムのドライバを入れな おしたりしたけどダメです。繋がらない。ひええええ。実は駅からホテルまで の地図が大雑把なので、最後はGoogle Mapで確かめながらたどり着こうと思っ ていたんです。どうしよう。困った。そうこうしているうちに駅についてしまっ たので、地図に書かれている道の名前をたよりに、歩きまわってなんとかホテ ルにたどり着きました(ちなみに、シンガポールは英語を話せる人が多いの で、最後はだれか捕まえて聞けばなんとかなると思います)。

ホテルはフォート・カニング・パークという公園のすぐ隣りにあるYWCAのロッ ジで、質素だけど清潔で手入れの行き届いた場所でした。 ホテルに入っても、しばらくPCと格闘。ログを出力して、やっと原因が分かり ました。SIMロックされています。。。日本でもSIMフリーの3GモデムつきUMPC が販売されているので、PCは全部SIMフリーだと思い込んでいたのが盲点でし た。この時点で夕方7時過ぎ。

仕方が無いので、(1) コーヒーショップとかで公衆無線LAN (2) 少なくとも M1 の使える 3Gモデムをどこかで手に入れる、方向で夕食がてら外に出ること に。

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会場の SMU がある地域は、ラッフルズ・スクエアという観光スポットに隣接 していて、ショッピングモールや高級ホテルが並んでいます。小さな台湾料理 の店で夕食をとったあと、スターバックスで接続を試みましたが、無線LANの 契約に SMS の受信が必須とのこと。諦めました。プラザ・シンガプーラとい う大きなモールで M1 のカウンターを探して、1時間並んでUSB接続のスティッ ク型モデムを買いました。モデムは60SGDで、Huawei製。SIMフリーなのかどう かはわかりません。PCに挿すとドライバのインストールが始まり...つながっ たー。一息つけました。帯域は300kbps前後。

ちなみに、今回泊まったホテルも含め、多くのホテルに有線LANサービスがあ るそうです。ただし、有料。使用料を払うと一定時間使える方式だそうです。 つまり、利用時間の買いだめができない。試してません。

移動体通信って、技術以外の部分でまだまだユビキタスとは程遠いよな、と思っ た一日でした。

6/9

PyCon tutorial day (day #0)

シンガポールと日本の時差は1時間しかありません。面倒なので、電話もPCも タイムゾーンを変更せずに使っていました。しかし、いつも通りの時間に目覚 めると、シンガポールではまだ早朝。外も暗いです。

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ホテルから、会場の SMU までは歩いて5分くらいなのですが、SMUは道を挟ん でいくつかのビルに分かれているのと、「PyConはこっちですよ」的な看板が どこにもないのでちょっと迷子に。昨日仕込んだWLAN接続でビル名を再確認し て、8:40 くらいに会場入りできました。若い女の子たちが数名、早朝に到着 したのか、でっかいスーツケースを持ったまま目の前を会場に入っていきまし た。レジストレーションしてバッグとTシャツをもらい、会場をぶらぶら。 会場は200人ぐらいのホールと、25名くらいのレクチャールームが4つという構 成です。Oracleが企業ブースを出していました。

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今回予約したチュートリアルは、Python and Data Storage といって、データ をファイルやデータベースに保存するためのモジュールについて、いくつかハ ンズオンを交えながら学ぼうという趣旨のものでした。事前に講師からメール でチュートリアルを進めるのに必要な準備の指示をもらい、会場ではテキスト と口頭の説明に従ってモジュールを操作していきます。bsddb や marshal の ような基本的な組み込みモジュールから始まって、SQLObject/SQLAlchemy と いったORM, アレイデータを扱うためのNetCDFやHT5と、横断的に学べる内容で した。講師はPython AcademyのMike Mullerさんです。Python Academyは有料 でPythonのセミナーを実施するドイツの企業ですね。 講義の内容や方法がよく練られていて、私のように英語の講義に追いつくのが やっとの生徒でもよく理解できたのも、うなずける話でした。レッスンを修了 すると、修了証書をもらえました。やったね!

講義中に、Django のコア開発者の一人で、以前からお付き合いのある Malcolm Tredinick さんから「今会場でハックしてるから、このあと昼飯いか ない?」とお誘いが。昼食をご一緒して、机を並べていろいろと雑談しながら コードをいじり午後を過ごしました。

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明るいうちに、ちょっと観光しようかな、と思ったのですが、昼過ぎから大雨 で、動く気になれず、この日は夕方まで会場で過ごしました。

6/10

Conference day 1

早朝、ホテルの隣にあるフォート・カニング・パークを散歩。ここは、植民地 時代に総督府があった場所で、現地民の反乱に備えるための城塞があったり、 総督の私邸がおかれていたりした場所です。今では城壁も熱帯性の樹木に覆わ れてほとんど見えず、静かで涼しい中を時折ジョギング中の人が通り過ぎてい きます。

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さて、いよいよカンファレンス・デー初日です。キーノート講演は、PSFのチェ アマン、Steve Holden氏です。Pythonにまつわる権利を保護し、コミュニティの 成長を促すというPSFのミッションについて語っておられました。アジア・太 平洋地域のPythonユーザたちは今まさに成長のただ中にありますが、単にソフ トウェアを作るだけでなく、それを使うユーザたちの支えとなる組織がPython の世界にはしっかり息づいていることを感じました。

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午後の講演でもっとも印象深かったののは、Mark HammondのMozilla RainDrop についての講演でした。サービスを作るときに、最初からTwitterのようにス ケールすることを意識して作ろうとしてはいけない。Twitterだって、長い時 間をかけてサービスを成長させてきたのだ。意識すべきは、短いサイクルで改 良を重ねていけるよう努力することだ」という言葉が響きました。

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この日の晩は、カンファレンス会場で仲良くなった人と、みんなで夕食に行く 予定でした。何名かの方に声をおかけしていたのですが、最後のセッションが 終わったときにはぐれてしまっていて、結局ビープラウドのIanさん、CMSコミュ ニケーションの寺田さんと一緒に、寺田さんのご友人の案内でイーストコース トのシーフードレストランとカジノに行きました。

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6/11

PyCon conference day 2

カンファレンスデー2日目で最終日。この日のキーノートは、 Mark Hammond 氏の Python for Windows. Python for Windows は、単にインタプリタとして Pythonの仕様を満たすだけでなく、Windows 上で実用的なアプリケーションを 開発するために必要な機能を組み込んできました。Windows の COM を操作す るためのライブラリ、 win32com は今でも開発が続いており、 Python 3.0 へ の対応も完了しているそうです。ただ、 COM には、コンポーネントの中で発 生した障害をソフトウェア側で検出して対処するのが難しかったり、オペレー ティングシステムのアクセスが制限された安全な環境の中でソフトウェアを実 行する機能が弱いという問題があります。これらの問題は、 .NET フレームワー クと IronPython の組み合わせで解決できることが紹介されました。

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キーノートの後は、すこし休んで --- この会場には、ブレークタイムごとに 食べきれないほどのおやつが出てきます --- Digibanner というマルチスクリー ンの対話的ディスプレイ環境の発表に参加。PygletというOpenGLバインディン グを使って、複数スクリーン間でオブジェクトが動き、Wii Remoteで操作す るデモが秀逸でした。その後、アジア地域のPythonユーザのセッションに途中 から参加。PyCon APACのサイトには、各国のユーザグループが協賛団体として バナーを掲げていますが、今回は残念ながら日本のユーザグループとして協賛 を表明できていません。PyCon APACは来年もシンガポールで開催されるのです が、その時は日本のユーザグループも元気だよ!というアピールをしたいです ね。

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午後は、Pure PythonでDHCPサーバを作って、通信事業の会社に納めました、 というサクセスストーリー。弊社と同じ分野のお仕事に、サードパーティライ ブラリもほとんど使わず、素のPythonで作った製品を投入できている、という お話はとても興味深いものでした。それぞれの国でお客様の事情は異なるとは いえ、同じ分野のお仕事をしている人たちとつながれるのは貴重な経験です。

ブレークタイムを挟んで、プログラムもいよいよ大詰め。ホールに集まって コーディングトーナメントが行われました。商品はiPadと、Amazon EC2の使用 権! SingPath というサービスで、提示された仕様と doctest を満足させる プログラムを提出し、その時間を競うというもの。持っていったのがパームトッ プだったので、上位に食い込むのは無理だろうな、と思いつつ参加しましたが、 1回戦は20位内に入れました。やったね!残念ながら2回戦は、途中で「隠し doctest」をうまくパスできず、30位で入賞できずでした。入賞者の中には、 海外から参戦して、会場にいる友人に代わりに受賞してもらっていた人がいま した。wow, アウトソーシング!

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そして、最後のパネルディスカッション。外で雑談していたので残念ながら見 逃してしまいました。PyCon APが来年もシンガポールで開催されることを確認 して、カンファレンスは終了しました。

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帰りはチャンギ空港を 23:45 に発ち、成田に向かう便です。満席。成田便は エアバス380。関空発着の便よりも大型で、エコノミーに電源コンセントがつ いていたり、イーサネット端子があったりと、ちょっとだけグレードが高いで す。コンセントは 110V 60Hz. 北米仕様の3ピンで、真ん中のピンを挿さない と通電しません。出発するまでに、予備のバッテリーも含めてほとんど使い果 たしていたので助かりました。とはいえ、4日間の疲れで、このレポートも書 きかけのまま、すぐ寝入ってしまいました。

PyConもアメリカでの開催、ヨーロッパでの開催に次いで、南米やアジアへと、 だんだん日本に近くなってきました。近いうちに、ぜひ、日本で開催したいで すね。もちろん、そのときは弊社も協力したいと思います。

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